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RSウイルス感染症

現在、高齢者が接種してRSウイルス感染症を予防するワクチンがあります。2024年1月、妊娠中の母親が接種して子どものRSウイルス感染症を予防するワクチンが承認されました。現時点で、発売時期は未定です。

どんな病気?

RSウイルス感染症は、冬季を中心に流行し、乳幼児に重篤な呼吸器感染症を起こすことが最も多いウイルスです。RSウイルス感染症は、最初の一年間で50〜70%以上の乳児が罹患し、3歳までにすべての子どもが抗体を獲得するといわれています。
2〜8日の潜伏期の後、大人や年長児が感染した場合、発熱、鼻水などの上気道炎症状でおさまります。赤ちゃんが感染した場合も発熱、鼻水、せきなどの普通のかぜの症状だけのこともありますが、その後咳がひどくなる、喘鳴がでる、呼吸困難となるなどの症状がでて、場合によっては細気管支炎、肺炎になることがあります。1歳以下では中耳炎の合併症がみられることがあります。通常7〜12日、入院した場合も多くは3〜4日で改善します。RSウイルス感染症は十分な免疫がつきにくいため何回も感染することがあります。

重症になると...

はじめは風邪のような症状でも、悪化し細気管支炎や肺炎を起こし、呼吸困難や哺乳困難のために、入院治療が必要になることがあります。新生児は呼吸困難などの呼吸器症状を認めずに無呼吸が出現することがあり、特に注意が必要です。

予防は?

子どものRSウイルス感染症の予防には3つの方法があります。

1つめは、生まれてくる赤ちゃんの感染を予防するために妊娠中の母親が接種するRSウイルスワクチン(承認済み未発売・不活化ワクチン)です。
2024年1月、妊娠中の母親が接種することで、おなかの赤ちゃんに免疫をつけ、出生直後から赤ちゃんのRSウイルス感染症を予防するワクチンが承認されました。2024年4月現在、発売時期は未定ですが、これにより生後6か月くらいまでのRSウイルスへの感染や重症化を防ぐことができるようになります。

2つめは、ワクチンではありませんが、RSウイルス感染症の重症化を予防する予防薬としてモノクローナル抗体製剤です。米国では、妊娠中にRSウイルスワクチンを受けなかった母親の子どもで、RSウイルス流行期に生後8か月未満の乳児を対象とするRSウイルスの感染予防薬(モノクローナル抗体製剤)が推奨されています。日本では、2023年2月に承認申請されています。

3つ目は、従来からあるRSウイルス感染症の予防注射(シナジス)です。予定日よりも早く生まれた赤ちゃん(早産児)、生まれつき呼吸器や心臓に病気を持っている赤ちゃん、免疫不全をともなう赤ちゃん、ダウン症候群の赤ちゃんは、「シナジス」が保険適応となります。RSウイルス流行期には毎月1回筋肉内投与を行い、RSウイルスに感染したときの重症化を抑えます。

そのほか、高齢者のRSウイルス感染症の予防には、妊娠中のワクチンとは別のRSワクチンがあります。

(2024年4月更新)