ポリオウイルスによって感染するVPDです。このウイルスにかかっても、多くの場合は症状が出ないか、出てもかぜのような症状だけです。しかし約千人~2千人に1人は手足にまひが出るとされています。
日本でもかつて大流行したことがあります。その時は母親たちがマスコミとともにポリオ撲滅の大活動を行いました。その結果、当時の厚生大臣はソ連やカナダから使用し始めたばかりのポリオの生ワクチンを緊急輸入して、テストもしないで子どもたちに投与しました。するとまたたく間に流行がおさまりました。
世界でもポリオウイルスの撲滅に近づきましたが、なかなか撲滅はできません。それどころか、ワクチンを飲まなくなった地域で、流行がおこっています。欧米でも、宗教上の理由でワクチンを拒否する人たちの子どもの間で流行したことがあります。日本では、約30年前から野生株による患者は出ていませんが、世界との交流が盛んな現在では、ワクチンの接種を長い間中止すれば、必ず流行がおこると考えられています。
このウイルスに感染しても、症状が出なかったり、出てもかぜのような症状だけです。しかし熱が下がってよかったと思っていると、手足が動かないことに気がつきます。
手足のまひが一生の後遺症として残ります。またその一部の人が、数十年後に突然、疲労、痛み、筋力低下などに悩まされることがあり、これはポストポリオ症候群(PPS)と呼ばれています。また、呼吸をするための筋肉である横隔膜などにまひがおこると呼吸ができなくなり、その場合には、人工呼吸器を使わなければなりません。
ポリオワクチンで予防します。ワクチンには、経口生ワクチン(OPV)と注射の不活化ワクチン(IPV)があります。日本では生ワクチンが定期接種で2回受けられます。生ワクチン接種後1か月間は、お子さんの便に交じってポリオウイルスが排泄されるため、便を片付けた後はよく手を洗いましょう。
欧米では人に小児まひ(ポリオ)を発病させるおそれがない不活化ポリオワクチンを使用しています。日本でも以前から切り替えが望まれており、国も早ければ2012年度末までに導入する方針をようやく打ち出しました。不活化ポリオワクチンの接種を希望する保護者の増加とともに単独不活化ポリオワクチンを個人輸入して接種する医療機関も増えてきました。
不活化ポリオワクチンについてはこちらをごらん下さい。