B型肝炎ウイルスによるVPDです。このウイルスが体に入ると肝炎をおこし、長く肝臓にすみついて(慢性化・キャリア化)、肝硬変や肝臓がんをおこします。非常に感染力が強いウイルスで、感染経路はB型肝炎を持った母親からの分娩時の感染(母子感染・垂直感染)や、父親や家族や友人、ウイルスに汚染された血液の輸血や性行為などでの感染(水平感染)が知られています。しかしこれだけではなく、特に子どもの場合は、感染源が原因不明のことが多いとされます。
肝炎になると、疲れやすくなり黄疸(おうだん)が出ます。ただし、かかっても軽い場合もあります。従来の日本でのB型肝炎ウイルスは、子どもの頃にかからない限り慢性化(持続感染・キャリア化)しにくいとされてきましたが、最近は欧米で流行しているウイルスが持ち込まれており、この場合は、大人でも慢性化しやすいとされています。
急性に発病した肝炎が急激に重い症状になることがあります。これを劇症肝炎といい、死に至る病気です。B型肝炎が慢性化すると、長い年月を経て、肝硬変(自覚症状がないままに肝臓の細胞が大幅に減って働きが悪くなる)や肝臓がんがおこります。
B型肝炎ワクチン(任意接種、不活化ワクチン)で予防します。B型肝炎は母子感染や水平感染だけではなく、知らない間にかかることも多いので、WHO(世界保健機関)では世界中の子どもたち対して、生まれたらすぐに国の定期接種として接種するように指示しています。世界の多くではWHOの指示通りに定期接種になっていて、生まれて1週間以内に産科施設で1回目を接種し、2か月頃に2回目、6-12か月頃に3回目を接種します。
日本でも、母親がB型肝炎キャリアの場合は、生後1週間以内に産科施設でB型肝炎予防用の免疫グロブリンを接種します(母子感染予防として健康保険で接種できます)。母親がキャリアでないのであれば、生後2か月からヒブ、小児用肺炎球菌、ロタウイルスワクチンとの同時接種がおすすめです。
早く免疫をつけて、こわいVPDから子どもを確実に守るために同時接種は欠かすことのできないものです。同時接種が安全であることは、世界の何億以上の子どもたちが受けてきていることからも、世界の常識であり、日本でも確認されています。接種年齢になっていれば、何本でも受けられます。米国では、生後2か月の時は6種類も受けています。