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子供のVPD

結核

どんな病気?

結核菌によって感染するVPDです。患者がせきやくしゃみをした時に飛沫(しぶき)とともに飛び散った結核菌を吸い込むと感染し、肺や脳を包む髄膜(ずいまく)などについて、炎症をおこします。たいていは結核に感染している家族や近くの人からうつりますが、時には感染経路が不明のこともあります。

結核患者の少ない先進国ではBCGワクチンの接種をやめている国もありますが、日本は結核の多さでは世界的にみると中間的なためワクチン接種が行われています。日本の大人を含めた患者数は米国の5倍くらいで、年間約23,000人。15歳未満の子どもの患者数はワクチンを接種しているので年間約90名で、これは逆に米国の3分の1程度です。
昔は日本人の死因の第1位でしたが、現在は適切に治療薬を飲めば成人の多くは治ります。患者のほとんどは若いときについた肺の結核菌による免疫(抗体)が弱まって発病した高齢者ですが、学校や職場で集団感染することがあり若い看護師さんなどもかかることがあります。

症状や経過

初期症状はかぜと似ています。小さな子どもでは、微熱だけが続いたり、熱がでずに急に手足がまひしたり、何となく元気がなくなったり、笑わなくなったりなどの症状が見られることもあります。肺結核になることもありますが、肺には変化がないまま髄膜炎などの変化がおこることもあります。3~4 歳以下、特に1歳未満は重症化しやすい病気です。

結核にかかっている人がいない家庭で、結核の子どもが出るのはたいへんまれですが、家族の中でせきが長引く、長期にわたり体調が悪いなどの人がいる場合は、必ず内科を受診してください。昔から、高齢者のせきを診察したら、真っ先に結核を考えなさいと言われるくらいです。最近はパパやママにも結核や百日せきが見られますので、せきが長引けば必ず受診してください。

重症になると...

3~4歳以下の場合は粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)という重い肺結核になったり、脳を包む髄膜につく結核性髄膜炎で死亡したり、重い脳障害がおこりやすいものです。

予防は?

スタンプ式のBCGワクチン(定期接種・生ワクチン)で予防します。
標準的な接種スケジュールは生後5~8か月までです。

BCGワクチンは、地域によっては集団接種で受けます。BCGワクチン(注射の生ワクチン)と0歳で受けるほかのワクチン(不活化ワクチンや飲むタイプの生ワクチン)の接種間隔の制限はありません。

BCGは生ワクチンなので、生後3か月未満での接種はあまりおすすめできません。これは、生後3か月未満では、生ワクチンを接種できないような先天的に重い免疫の病気の診断がつきにくいからです。

(2024年4月更新)