HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン(子宮頸がんなどの予防ワクチン)

不活化ワクチン
定期接種

日本で使用されている子宮頸がんなどのヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を予防するワクチンは、2価「サーバリックス」(GSK)、「4価ガーダシル」(MSD)、9価「シルガード9」(MSD)の3種類があります。予防するVPDや接種対象、定期接種/任意接種などは下表のとおりです。

価数
ワクチン名
定期接種(対象)
または任意接種
予防するVPD 対象
2価
サーバリックス
定期接種(小学校6年~高校1年の女子) 70%の子宮頸がん(16、18型)などのヒトパピローマウイルス感染症 9歳以上の女子
4価
ガーダシル
定期接種(小学校6年~高校1年の女子) 70%の子宮頸がん・肛門がん (16、18型) 、尖圭コンジローマ(6、11型) などのヒトパピローマウイルス感染症 9歳以上の男女
9価
シルガード9
任意接種 90%の子宮頸がん(16、18、31、33、45、52、58型)、尖圭コンジローマ(6型、11型) などのヒトパピローマウイルス感染症 9歳以上の女子

日本では、サーバリックスが2009年12月に、ガーダシルが2011年8月に発売され、2013年度から定期接種になりました。9価シルガード9は2021年2月に発売され、現在、任意接種です。


接種時期と接種回数

定期接種の対象年齢は小学校6年生~高校1年生相当の女子です。小学校6年生または中学1年生になったら初回接種を受け、1~2か月の間隔をあけて2回目、初回接種の6か後に3回目を接種します。
定期接種のサーバリックスとガーダシルは、接種スケジュールと成分が異なりますので、初回に接種したワクチンと同じ種類のワクチンを必要回数受けることが必要です。
※定期接種の対象年齢以上の女子でも感染を予防するうえでワクチンの接種は有効です。詳しくは、産婦人科医とご相談ください。ただしこのワクチンを接種しても、すべての子宮頸がんを予防できるわけではないので、ワクチンを接種していた場合でも安心せずに子宮がん検診を受けることが極めて大切です。

おすすめの受け方

いずれのワクチンも初めての性交渉を経験する前に接種を始めることが望ましいです。
サーバリックス:中学1年生までに接種をはじめ、初回接種の1か月後に2回目、初回接種の6か月後に3回目を接種します。
ガーダシル:中学1年生までに接種をはじめ、初回接種の2か月後に2回目、初回接種の6か月後に3回目を接種します。

ワクチンの効果

いずれのワクチンもワクチンに含まれているタイプのヒトパピローマウイルス感染症を防ぎ、子宮頸がんなどの発病を予防します。HPVは若い人ほど感染しやすくなりますので、初めての性行為の前までに受けることで予防効果が高まります。

ワクチンの種類によって効果のあるウイルスの型が異なり予防できるVPDが異なります。
サーバリックス、ガーダシル(4価ワクチン)は、ともに約70%の子宮頸がんを予防し、効果は20年くらい続くとされています。シルガード9は、約90%の子宮頸がんを予防できます。日本より7~8年前からワクチン接種をはじめた欧米やオーストラリアでは、ワクチンの有効性が報告されています。

また、ガーダシルは肛門がんと尖圭コンジローマを、シルガード9も尖圭コンジローマを予防できます。

いずれにしても、ワクチンに含まれていないタイプのウイルスによる子宮頸がんもありますので、必ず子宮がん検診を受けてください。検診を受ける率は、欧米では約80%ですが、日本ではなんと約20%とたいへん低いのが問題です。ワクチンを受けた方でも20歳過ぎたらすべての女性は子宮がん検診を受けることが大切です。

男子のHPVワクチンの接種

HPV感染は男女間で感染を繰り返すため、男女にワクチン接種をすることで感染の広がりを抑えることができます。男性のワクチン接種の目的は、男性本人のHPV感染による病気の予防とともに、自分が感染源とならないことで将来のパートナーを子宮頸がんなどのHPV感染症から守ることがあります。
実際に男子へのワクチン接種は多くの国で推奨され、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど20か国以上の国で公費接種が行われています。日本では、2020年12月から任意接種で男性が4価ワクチンを受けられるようになりました。

「接種の積極的な勧奨」の実質的な再開について(2021年2月)
2020年10月、厚生労働省は自治体に対して、HPVワクチンの定期接種対象者に対して子宮頸がんやワクチンに関して個別通知で確実に知らせるように自治体に依頼しました。
2013年6月から中止していた「接種の積極的な勧奨」の実質的な再開といえます。ただし、「接種の積極的な勧奨」の差し控えが撤回されたわけではなく、正式な「接種の積極的な勧奨」の再開が求められます。


「接種の積極的な勧奨」の一時中止について(2020年8月)
2013年6月に接種後の有害事象として見られた慢性疼痛などの症状と接種との因果関係や、痛みがおこる頻度、それに海外での詳しいデータについて実態調査が必要と考えた結果、厚生労働省は約半年間をめどに「接種の積極的な勧奨」の一時中止という決定をしました。 その後、子宮頸がん予防(HPV)ワクチン接種後の慢性疼痛などの症状とワクチン接種の因果関係の調査研究がなされていますが、中止から7年以上経た2020年8月現在において、接種の積極的な勧奨の再開はなされていません。

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