百日せき菌と呼ばれる細菌がのどなどについて起こります。この菌の伝染力は強く、お友だちだけでなく、家族からも、もらいます。おとなの場合は、苦しいですが死亡することはありません。しかし家族にうつします。
この菌を地球上から撲滅させることはできないので、米国でも流行しています。日本でも、昔に比べれば減りましたが、年間1万人くらいかかっていると推定されます。また感染する年齢が低いと、とても重くなるので、多くの国では生後2か月頃からワクチンの接種を開始しています。
最初は鼻水と軽いせきで、かぜと区別がつきません。そのうちに特徴的なせきが出てきます。この時期になると、有効な抗菌薬でも病状を止めることはできません。スタッカートのように、コンコンとせきが続きます。そのうちにそのせきの続く時間が長くなって、10秒以上続きます。そうなると苦しくて、顔が真っ赤になります。せきが続くので、息ができません。10秒以上続いたところで、やっと苦しそうに息を吸い込みます。うーーーーーと吸い込むので、英語ではウープ(whoop)と言います。
実際には、お母さんが見ていられないくらいに苦しそうな症状です。目が血走ったり、舌の筋が切れたりもします。時にはそのまま息が止まって、死亡することもあります。この時期を何とか乗り切ると少しずつせきがおさまってきます。しかし全治まで2−3か月かかり、これが百日せきと言われる理由です。
合併症がなくてもつらいのですが、一番問題になる合併症は、息ができなくなる無呼吸です。呼吸が止まるくらいの時は、人工呼吸が必要になります。当然亡くなることもあります。また、血液の中の酸素が減って、脳症(低酸素性脳症)も起こります。けいれんを起こしたり、知能障害なども起こります。また肺炎を起こすこともあります。
生後3か月からDPTワクチン(定期接種、不活化ワクチン)の接種を始めてください。国が決めたスケジュールでも、真っ先に受けるのがこのDPTです。できれば3─4週間隔で、2回続けて受けると予防効果が高くなります。DPTワクチンの無料券が来る時期が生後4か月過ぎのところもありますが、その際は2か月過ぎからでも、保健所に無料券を請求して下さい。法律的には断わられる理由はありません。
地域にもよりますが、現在の日本では、かかる子どもの数が少ない結核のBCGワクチンは生後4か月頃が最適です(※ただし、このスケジュールを認めない地区もあります)。できればDPTワクチン(定期接種、不活化ワクチン)を先に受ける方がよいと思われます。
年長児やおとなでせきが長引くときは、百日せきのこともありますので、医師とご相談下さい。