知っておきたい
「妊娠と感染症」のこと

妊娠中に感染症にかかったら?

妊娠中は免疫の働きが変化し、感染症が重くなることがあります。母体の健康だけでなく、胎児の発育にも影響し、妊娠が継続できなくなることがあるため注意が必要です。発熱や咳などの症状が出たら早めに電話で相談し、産院からのアドバイスをもらいましょう。

母子感染とは?

母子感染とは、妊娠中や分娩時、授乳を通じて母から子へ感染症がうつることです。風しん、B型肝炎、HIV、梅毒などが心配されます。
妊婦健診では血液検査などで感染症を早期に見つけ、必要な予防や治療につなげます。健診を欠かさず受けることが母子感染防止につながります。

妊婦健診でできること

妊婦健診では、ママと赤ちゃんの健康を守るために感染症の検査が行われ、母子感染を防ぐ役割があります。健診では血液検査などを通じて、感染症を調べます。感染が見つかった場合は、母体への治療や分娩時の対策(帝王切開や抗菌薬投与など)、出生児へのワクチン接種などで母子感染を防ぎます。

感染症
●HIV ●梅毒 ●性器クラミジア ●B型肝炎 ●C型肝炎
●HTLV-1 ●GBS(B群溶血性レンサ球菌)

母子感染をワクチンで防ぐ

妊娠と感染症の予防で重要なのが「ワクチンによる母子免疫」です。

妊娠中に接種

妊娠中のワクチン接種は、母体を守るだけでなく、胎盤を通じて赤ちゃんにも抗体が届き、生後すぐの感染から守ることができます。

感染症
●RSウイルス感染症 ●百日せき ●インフルエンザ
●新型コロナウイルス感染症
妊娠前に免疫があるかを確認

ワクチンには、妊娠中に接種できない「生ワクチン」があります。妊娠前に免疫を確認し、不足していれば接種しておくことが母子感染の予防につながります。

免疫がないとわかったら、出産後に忘れずに受けましょう。

感染症
●麻しん・風しん(MRワクチン) ●水痘 ●おたふくかぜ

食事や生活習慣でできる予防

妊娠中の感染症予防は、毎日の食事や生活習慣からも始められます。生肉やナチュラルチーズは避け、食材は十分に加熱しましょう。猫の糞や幼児の唾液から感染することもあるため、接触後は必ず手洗いを。外出後や調理前後のこまめな手洗いも、母体と赤ちゃんを守る大切な習慣です。また、妊娠中もB型肝炎や梅毒などの性感染症を予防しましょう。

感染症
●トキソプラズマ ●リステリア ●サイトメガロウイルス
●B型肝炎 ●梅毒

妊娠中の予防接種

妊娠中のワクチン接種は、ママと生まれてくる赤ちゃんを感染症から守ります。

妊婦さんも子どもと同じように、複数のワクチンを同時に受けられます。スケジュールの余裕がない時や接種に迷ったら、かかりつけ医に相談しましょう。

赤ちゃんとママを守る
予防接種スケジュール 

予防接種スケジュール 表

妊娠前・妊娠中・出産後の
ワクチン接種で防げる感染症

妊娠中に接種するワクチン

妊娠中のワクチン接種で生まれてくる赤ちゃんを感染症から守ります。

  • RSウイルス感染症
    RSウイルスワクチン

    生後6か月未満の赤ちゃんが感染すると重症化し、入院することがあります。有効な治療薬はありません。妊娠中のワクチン接種で母子免疫をつけて、誕生直後から赤ちゃんを守ります。

  • 百日せき
    百日せき含有ワクチン

    ワクチン接種前の赤ちゃんが感染すると激しいせきや呼吸困難を起こし、入院が必要になり、死亡することもあります。妊娠中のワクチ接種で母子免疫をつけて、誕生直後から赤ちゃんを守ります。

  • インフルエンザ
    インフルエンザワクチン

    妊娠中に感染すると重症化しやすく、ワクチン接種前の乳児が感染すると高熱や合併症のリスクが高まります。妊娠中のワクチン接種で感染からママを守り、赤ちゃんの感染も予防します。

  • 新型コロナウイルス感染症
    新型コロナワクチン

    妊娠中に感染すると重症化しやすく、早産や合併症のリスクが高まります。低月齢の赤ちゃんが感染すると重症化しやすくなります。妊娠中のワクチン接種で感染からママを守り赤ちゃんの感染も予防します。

妊娠前・出産後、次の妊娠
までに接種するワクチン

妊娠中は、安全性の観点から接種ができない、または通常は接種しないワクチンがあります。出産後のワクチン接種で次の妊娠に備えましょう。パートナーや同居家族はできるだけ早く必要なワクチンを接種しましょう。

  • 麻しん
    MRワクチン

    妊娠中に感染すると高熱や肺炎を起こしやすく、流産や早産、死産のリスクが高まります。母体の重症化がおなかの赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼします。

  • 風しん
    MRワクチン

    妊娠中、特に妊娠12週までに感染すると「先天性風しん症候群(CRS)」を引き起こし、赤ちゃんに心疾患・難聴・白内障などの重い障害が生じる可能性があります。

  • B型肝炎
    B型肝炎ワクチン

    性行為などにより妊娠中に感染した場合でも、赤ちゃんがB型肝炎のキャリアになりやすく、慢性肝炎になることがあります。慢性肝炎は、将来、肝硬変や肝がんのリスクが高まります。

  • 水痘(みずぼうそう)
    水痘ワクチン

    妊娠中に感染すると重症肺炎を起こしやすくなります。妊娠初期の感染は「先天性水痘症候群」を引き起こしやすく、出産直前の感染は赤ちゃんが新生児水痘となり重症化することがあります。

赤ちゃんのワクチンデビューは
生後2か月の誕生日

初めてのワクチンはこの4つ

ワクチン接種は赤ちゃんの体に負担をかけることなく、病気に対する免疫をつけていきます。生後2か月になったら、次の4つのワクチンをできるだけ早く受けましょう。
また、妊娠35週までに生まれた早産児や基礎疾患などのある赤ちゃんは、RSウイルス感染症の予防薬(注射)を健康保険で受けられます。

生後2ヶ月になったら接種するワクチン4種のイメージ

ワクチンデビューの準備リスト

  • かかりつけの小児医を決める
  • 予約をとる
  • 持ち物を確認する
    • 母子健康手帳
    • 予診票
    • マイナンバーカード
    • 乳幼児医療証(こども医療証)
    • 赤ちゃんのケア用品
  • 妊娠・子育て世代のVPD(ワクチンで防げる病気)はこちら

医療関係者の方へ

生まれてくる赤ちゃんとママも守る 感染症予防ブック

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