ロタウイルスワクチン

生ワクチン
経口ワクチン(口から飲むタイプ)
任意接種

現在、世界ではロタウイルス感染症を予防するワクチンとして、ロタリックス(GSK社)、ロタテック(MSD社)の2種類を使用しています。日本では、ロタリックスが2011年11月に発売され、ロタテックは2012年1月現在、発売準備中です。

予防するVPD
ロタウイルス感染症(嘔吐・下痢を起こすロタウイルス胃腸炎と脳炎などの重い合併症)
接種時期と接種回数
生後6週から接種できますが、ほかのワクチンとの同時接種を考えて、生後2か月からが最適です。ワクチンの種類によって2回または3回接種します。どちらも接種できる期間が決められていて、これがほかのワクチンと異なる点です。これは、腸重積症(腸閉塞の一種)が起こりにくい低い年齢で接種するのが目的です。

ロタリックス(1価ワクチン):4週間隔で2回接種します。遅くとも生後20週(140日)までに1回目、生後24週(168日)までに接種を完了します。生後24週以降は接種することができません。

ロタテック(5価ワクチン):4週間隔で3回接種します。遅くとも生後24週(168日)までに1回目、そして3回目は生後32週(224日)までに接種を完了します。生後32週以降は接種することができません。
おすすめの受け方
ロタリックス(1価ワクチン)もロタテック(5価ワクチン)も、生後6週から接種をはじめることができます。しかし、ヒブや小児用肺炎球菌などの接種が遅れないようにするために、初回接種は生後2か月になってからすぐに、ヒブ・小児用肺炎球菌・B型肝炎との同時接種がおすすめです。それができない場合でも、初回接種は遅くとも生後3か月半過ぎ(生後15週)頃までには始めたいものです。

接種できる期間がとても短い(ロタリックスは生後24週までに2回、ロタテックは生後32週までに3回の接種を完了しなければならない)ので、お子さんが生まれたらできるだけ早めにかかりつけの小児科医と相談して、接種スケジュールを立てておきましょう。

スケジュールを立てる時のポイント
ロタウイルスワクチンは飲むタイプの生ワクチンのため、接種後に4週間以上間隔をあけなければ次のワクチンを接種できません。0歳児はほかにも接種が必要なワクチンが多数ありますので、同時接種で受けることが重要です。生後2か月になったらすぐにヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎ワクチンなどと同時接種で受けることをおすすめします。
ワクチンの効果と安全性

2つのワクチンともに、ロタウイルスによる嘔吐下痢症を防いだり、軽くしたりして、点滴や入院が必要になるほどの重症例を約90%減らします。結果として、脳炎などの重い合併症も防ぎます。

ロタウイルスには多くの種類(型)があります。ウイルスの種類が異なると、できる免疫が異なり、免疫ができても弱いこともあります。5歳頃までに少なくとも1回はかかりますが、その後も何回かかかることがあります。

ロタリックス(1価ワクチン)は、一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンです。交差免疫*によってほかの種類のロタウイルスにも有効であることがわかっています。ロタテック(5価ワクチン)は、一番流行して重症化しやすいウイルスを含む5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンです。このように成分が異なりますが、今のところ両方のワクチンともにほぼ同じ良い効果を示しています。
安全性は世界中で多くの調査が行われており、極めて高いものです。そのためにWHO(世界保健機関)は2009年6月に、ロタウイルスワクチンを子どもの最重要ワクチンの一つに指定しました。そして世界中の全ての子どもが使用するようにと指示しました。

現在は使用されていませんが、いわば「初代」のロタウイルスワクチン(ロタシールド)は接種後の腸重積**症発生増加のため発売中止になりましたが、現在のワクチン(ロタテック・ロタリックス)では、接種時期を守ることで、欧米では問題なく安全に接種されています。決められた期間内に接種を完了できるようかかりつけの医師とご相談ください。

*交差免疫:ワクチンに含まれているウイルスに対する免疫を獲得することで、タイプの似ているほかのウイルスにも予防効果を示すこと。

**腸重積症:子どもに多い病気で、腸が腸の中に折り重なるように入り込み、腸閉塞を起こします。多くは、原因は不明です。いちごゼリー状の血便、5~10分おきに不機嫌で顔色が悪くなるなどの症状が見られ、救急外来受診が必要です。

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