成人用肺炎球菌ワクチン

注意:この成人用肺炎球菌ワクチン「ニューモバックスNP」は通常は子どもには使用しません。子どもには小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」(PCV7あるいはPCV13)を使用しますので、そちらをご覧ください。プレベナーは、2010年2月より日本でも接種でき、2013年4月から定期接種となりました。

肺炎球菌感染症とは

肺炎球菌はのどや鼻にいる細菌で、肺炎や中耳炎などを起こします。5歳以下の子どもでは、脳を包む髄膜に付く細菌性髄膜炎や血液の中にこの菌が入る敗血症・菌血症などの重症感染症を起こす重大な細菌です。
成人、特に高齢者では細菌性肺炎の原因の多くを占めて、大変問題になります。抗菌薬(抗生物質)が効かない耐性菌が多く、予防が望まれております。

肺炎球菌感染症予防ワクチン

肺炎球菌感染症のワクチンは、小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」と成人用球菌ワクチン「ニューモバックスNP」があります。
成人用(主として)の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)
肺炎球菌は約90種類に分類されます。その中でも成人で病気を引き起こしやすい23種類の菌の成分を含んだものがニューモバックスNPです。このワクチンは多糖体ワクチン(ポリサッカライドワクチンやPVとも言います)に分類されるワクチンで、2歳未満の子どもには免疫を付けることはできません。2歳以上の子どもでも、このワクチンを受けることが勧められているのは、脾臓がない無脾症などなどのこの菌に大変かかりやすい方だけです。このような方は小児科医とご相談下さい。

接種回数など

注射を2回受けます。世界中で、日本だけは2回目の接種部位の局所反応が強いという非常に古いデータを理由に再接種が禁止されていました。しかし初回から5年して2回目を接種すれば接種部位の局所反応も強く無いという世界中での事実から、2009年10月より再接種がやっと許可になりましたので、初回接種から5年過ぎましたら、2回目の接種を受けてください。
子どもだけでなく成人に対しても、日本と世界の予防に関する常識の違いです。(参考:日本の常識は世界の非常識

ワクチンの効果と安全性

このワクチンは、2歳以上の免疫の弱い子どもの肺炎球菌感染症予防と高齢者の肺炎予防に有効です。しかし、少なくともはしかなどのワクチンのように効果がドラマティックではないので、時にその効果が疑問視されます。しかし、WHO(世界保健機関)では、正確に調査すると、少なくとも2回接種した人には有効と認めています。
1人でも多くの高齢者を肺炎から予防することを目的として接種費用の補助をする自治体が増えています。高齢者の肺炎は、インフルエンザ(季節性および新型インフルエンザ)の合併症として、死亡の原因にもなりますので、“新型インフルエンザ”対策としても重要です。 副作用はワクチンを受けたところの赤みなどの局所反応だけで、大きな問題はないとされています。
小児用肺炎球菌ワクチンの高齢者への予防効果
小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)は、子どもの肺炎球菌感染症の予防だけでなく、間接的な効果として、高齢者の肺炎球菌感染症予防に効果的なことがわかっています。多くの子どもにこのプレベナーを接種すると、肺炎球菌感染症の感染機会が減少し、結果的に高齢者の重い肺炎球菌感染症(主に肺炎)が減ります。
そのために、WHOも子どもでのプレベナーの接種率を上げることを推奨しています。また、米国では子どもだけでなく成人にも、プレベナーの改良の13価の小児用肺炎球菌ワクチン(PCV13:効果のある肺炎球菌の種類を7種類から13種類に増やしたもの)が発売になっています。日本では2013年11月から子どもが使用できるようになりました。
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