小児用肺炎球菌ワクチン

不活化ワクチン
定期接種

2024年4月から、小児の定期接種で使用するワクチンは15価ワクチンを基本としますが、当面の間、従来の13価ワクチンも使用できます。

予防するVPD

接種時期と接種回数

生後2か月から接種できます。標準的なスケジュールでは4週間隔で3回、生後12~15か月齢に4回目を接種します。
初回の接種月齢・年齢によって接種間隔・回数が異なります。
初回接種の月齢・年齢 接種回数 接種スケジュール

生後2か月~6か月

4回

1回目から4週以上の間隔で2回目(定期接種では13か月未満までに接種)
2回目から4週以上の間隔で3回目
3回目から60日以上の間隔をあけて1歳代(生後12か月~15か月)で4回目

生後7か月~11か月

3回

1回目から4週以上の間隔で2回目
2回目から60日以上の間隔をあけ、1歳代(生後12か月~15か月)で3回目

1歳

2回

1回目から60日以上の間隔で2回目

2~4歳

1回

1回のみ

5歳以上

1回

1回のみ(任意接種)

おすすめの受け方

細菌性髄膜炎はかかった子どもの半数以上が0歳の赤ちゃんです。病気が重いだけでなく早期診断が難しく、抗生物質(抗菌薬)が効かない菌も多いので、必ず生後2か月から五種混合ワクチン(ヒブワクチン)と同時接種で受けましょう。
0歳児が接種するワクチンは種類、回数が多いので、スタートダッシュが肝心です。生後2か月のお誕生にワクチン接種をスタートしましょう。おそくとも6か月までにしっかりと免疫をつけましょう。

生後6か月以降の赤ちゃんに、肺炎球菌による細菌性髄膜炎が増えてきます。それまでに必要な免疫をつけておくために、生後2か月から初回の3回を6か月までに受けるようにしましょう。また、効果を長続きさせるために、1歳代(生後12~15か月)に必ず追加接種を受けましょう。

小児用肺炎球菌ワクチンはWHO(世界保健機関)が最重要ワクチンの一つとして、すべての国で、定期接種にすべきだと勧告しているものです。日本では、2013年度から定期接種になりました。

スケジュールを立てる時のポイント

病気が重いだけでなく、早期診断が難しいうえに抗生物質(抗菌薬)が効かないこともあります。生後6か月以降からかかる赤ちゃんが増えますので、『生後2か月のお誕生日』がきたらすぐに接種します。

生後2か月でB型肝炎、ロタウイルス、五種混合ワクチンとの同時接種がおすすめです。遅くとも6か月までに最初の3回接種が終わると早く抗体(免疫)ができるので、より望ましいです。

ワクチンの効果と安全性

小児肺炎球菌ワクチンは世界の約100カ国以上で承認され、すでに50カ国で定期接種に導入されているワクチンですので、安全性と効果は実証済みです。ヒブワクチンと同時接種をすることで、細菌性髄膜炎予防に非常に有効です。 接種後に、受けた子どもの約10%に38度以上の熱が出ます。ほとんどは何もしないでも1日で治まりますが、顔色や機嫌が悪い場合は受診してください。また接種したところが赤くなったり、しこりができたりすることもあります。

小児用肺炎球菌ワクチンは2011年から公費助成が始まり、2013年度から定期接種となりました。公費助成以降、肺炎球菌による細菌性髄膜炎は71%減少しました。2011年からは7価ワクチンから13価ワクチンに、2024年から15価ワクチンが導入され、さらに予防効果が高まっています。

同時接種について

早く免疫をつけて、危険なVPDから子どもを確実に守るために同時接種は欠かすことのできないものです。同時接種が安全であることは、世界の何億以上の子どもたちが受けてきていることからも、世界の常識であり、日本でも確認されています。接種年齢になっていれば、同時に何種類でも受けられます。

小児用肺炎球菌ワクチンの高齢者への予防効果

小児用肺炎球菌結合型ワクチンは、子どもの肺炎球菌感染症の予防だけでなく、間接的な効果として、高齢者の肺炎球菌感染症予防に効果的なことがわかっています。多くの子どもに小児用肺炎球菌結合型ワクチンを接種すると、肺炎球菌感染症の感染機会が減少し、結果的に高齢者の重い肺炎球菌感染症(主に肺炎)が減ります。

注意:従来の高齢者の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)と、この小児用肺炎球菌結合型ワクチンとは全く違うものです。「ニューモバックスNP」は、2014年10月から高齢者の定期接種となりました。

(2024年4月更新)

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